ベースベーカリーのブログ

2021年7月第1週▲麦芽フォルコン、ショコラニブ、ノアレザン、チクゴイズミのクッキー

麦芽フォルコン

発酵ライ麦を配合

前の週は麦芽=「小麦の粒」を育てて発芽させたあと、乾燥させてから製粉。今回は発芽させず、粒の状態で発酵させています。ベースベーカリーの「フォルコン」は「具材の無いパン」ですが、作り手の実感としては最も難しくて緊張するパンです。俗に言われる「バゲットは難しい」とか、「シンプルなパンほどゴマカシが効かない」という類とはまた角度の違う難しさを感じています。一つの生地から何種類ものパンを製造するのではなく、フォルコンのためだけに生地を作るのだから、新しい可能性はいくらでもある。コロナの影響でライ麦がコンスタントに焼けなくなってからフォルコンの質が上がったと感じています。ロゲンから離れてフォルコンと向き合う時間が長くなったのだから当然ですが、つまり「質を上げるとはそういうことか」と実感。

さて、ライ麦を発酵させていることで、赤シソのような香りが生じています。香りには穏やかな酸を感じながら、パンが舌に触れた瞬間には甘さを感じ、噛めば旨みが染み出るフォルコン。パンづくりの発酵の流れの中で「酸と甘み」をバランスよく共存させるために出来ることとは。2021年も下半期に差し掛かり、玄麦から作るパンにしか醸せないフォルコンづくりを、作り手自身も精一杯、楽しみたいと思っています。

ショコラニブ

初めて使うBIOショコラ・カカオ70%

これまではフランス産BIOショコラ・カカオ56~61%を数種類を使い分けてきた「ショコラニブ」を、70%のハイカカオに切り替えてみました。産地はフランスからペルーになりました。これからずっとこれ、という訳ではありませんが、しばらく使ってみたい魅力のあるショコラです。オーガニックカカオニブの産地がペルーと言うこともあり、相性が良いはずだと思いました。また、焼いた際にチョコが生地へ溶けまざる量を、もう少し減らしたいという狙いもありました。

チョコレートはカカオの含有率が上がるほど価格が上がります。いわゆるミルクチョコレートと呼ばれるものが30%程度。70%のオーガニックチョコレートとなると板チョコで比べても大分価格が上がってきます。カカオニブもオーガニックなので1本売りのパンの価格は高くなりましたが、今回のショコラニブは1g換算で3.1円程でした。

1g=3~4円の価格帯で他店はどんなパンを作っているのかを比較できるユニークなサイトがあるのでリンクしておきます。パンにコスパというものがあるのなら、それは「大きさ」ではなく「重量」で比較されるべきなのですが、まさにその本質をついたg単価を表示しているブログで感心しています。偶然みつけたサイトなのですがTags から色々なパンを条件検索できる点も面白いので遊んでみて欲しいです。

さて、ベースベーカリーが焼いているチョコレートを使用したパンは主に3種類ほどありますが、その中で最も甘くないパンがショコラニブです。食事としてあわせられるショコラのパンという位置づけで、もう少し踏み込めば「ワインとのマリアージュに選ばれるパン」を想定しています。とにもかくにも鼻腔をジャックするほどにカカオの香りを全面に押し出したパンです。香りの余韻も非常に長く、人工香料が一切使われていない上質なショコラの香りが発酵熟成を経た麦の香りに合うと思っています。ショコラの甘さがもっと欲しい場合にはカカオ60%未満でつくる「パンオショコラ」を試してみてください。

課題は価格でしょうか。価格を下げる為に出来ることは販売するパンのサイズを小さくすることくらいですが、そうすると火の通りも、日持ちも変わってくるので、発酵も焼きも見直す必要があり、今回のパンとは違うものになります。素晴らしいショコラ&カカオニブなので、小ぶりなサイズでその分求めやすい価格の仕様もつくってみたいと思っています。

アドリブ=ノアレザン

アドリブシリーズなのですが、ノアレザンはもう3回ほど焼いています。少しずつ手法を変えているのですが、この2つの具材の相性の良さには惚れ惚れします。実は作り手、レーズンパンが苦手です。いや、そもそもレーズン自体が苦手です。でも、そんな自分が何種類ものレーズンを試食しながら選んだ時に実感しました。「レーズンが苦手なんじゃない」と。ちょっと良くない言い方ですが話し言葉のまま表現すると「安いレーズンの味と香りが苦手」だったのでした。

レーズンは収穫後に干す工程があり、製菓製パンでつかわれるレーズンとなればレーズン同士がくっつかないように、ミキサーでよく混ざるように、オイルコーティングされているのです。そのコーティングに使われている油の酸化した匂いもふくめてレーズンの香りと思っていたのだと気がついたのは、自分がパンを焼くようになってからでした。

レーズンの話ばかりになりましたが、レーズン嫌いだった自分が焼くノアレザン。そのレーズンはオイルコーティングされていないBIOの房干し。樹で熟すまで収穫しないという完熟レーズンです。甘さの質、香り、果肉の弾力、その全てがいわゆるレーズンとは一線を画していて非常に気に入っています。考えてみれば「熟」すわけですから、カドはとれて、ツーンとした香りもない。まろやかに自然加工されているわけですね。「レーズンのパン」と呼んでしまうのがちょっと可愛そうになる様な、特別なレーズン。ほぐしたり軸を取り除いたりと前仕込でも手間が必要な食材ですがその価値あり。苦手な人にこそ、体験して欲しい食材です。今回、土曜日は平たく成型しました。日曜日は発酵の時間に余裕ができたので、平たいものと厚みを出したものを焼いて、選べるようにしました。どちらも蒸し焼きにすることで、生地の弾力、レーズンの粘り、くるみの歯ざわりを楽しめるパンに仕上げています。

BASEクッキー チクゴイズミ

滅多に焼かないクッキー、久しぶりに焼きました。使用した小麦は有機栽培されたうどん用品種=ちくごいずみ。これを細かく石臼にかけてフスマを蒸してから仕込みました。食感が変わり、ベースクッキーとしては珍しいシットリ系。普段はホロホロ、サラサラという、つながりの弱い食感ですが、今回は粘りがあり、しっかりとつながりを感じるクッキーです。口の中での滞在時間が若干長めになるので、味や甘みも濃く感じる傾向があると思います。ほかの食材は何も変えず、麦だけを変えたアプローチ。違いに気がついてもらえて、それを楽しんでもらえたなら、熊本の小麦生産者さんも喜ぶと思います。次はいつ焼けるか分かりませんが、チグゴイズミはおしまいです。

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