ベースベーカリーのブログ

2021年6月第1週▲フォルコン、抹茶黒豆、ミッシュブロート、クッキー

ツイッターでは文字数制限が厳しいので「作り手の実感」は今後こちらへ投稿させて頂きます。
ご購入頂いたパンへのご質問等は今後もツイッターのDMで随時受け付けており、作り手が直接回答しております。
今回の文章は長めですが、今後はカジュアルなコメントを目指します!

フォルコン

ツイッターで告知した通り麦のロットが切り替わりました。具体的には収穫年度が19から20年度産へ替わりました。
「まだ慣れない」「まだまだ時間が必要」これが正直な実感です。でもパンの品質はご安心下さい。慣れていないことで仕込みや発酵の見極めに作り手が手こずっているというだけです。
「麦の個性が年度で大きく変わる」と言うと不思議に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、自然で当然な事です。ワイン作りにおける葡萄では「当たり年、外れ年」などと呼ばれてしまうほど周知の事実です。
パン作りにおける麦だって同じことなのですが、年度ごとの個性を楽しむ習慣がないという点でかわいそうな発酵食品だと思います。
この問題は作る側、売る側がもっと興味を持ってもらえるように努力しなければ解消しないと感じています。

コロナの影響でドイツの有機ライ麦が安定して使えなくなり、日曜日の「ライ麦デイ!」を辞めました。
その代わりに日曜日も小麦のパンを焼くようになり、その準備と設備の変更、仕込みのタイミングにも、まだまだ慣れません。でも焼く回数が増え、試作も増やし、トライ&エラーの回数が格段に増えた事でパンはよくなっている、という実感があります。今回もフォルコンには麦芽を使いましたが「麦の発芽」に費やしている時間と手間の多さの割には、手ごたえが少ないというのが正直な印象です。今後しばらくは「麦芽フォルコン」を定番にすることで自らに課題を課して向上して行きたいと思っています。

抹茶黒豆

静岡県の岡部茶さんの有機抹茶の表情が少し変わりました。仕様変更は無い様ですがこれも個性でしょう。抹茶をフルイにかけると繊維が残るのですが、この量と繊維の質が変わりました。
有機栽培の茶葉は葉が厚くなるそうで、繊維も残りやすい。(通常の農薬や化学肥料を使う栽培にくらべて)有機で粉末の抹茶を作ることは苦労だろうと思うのですが、今回は繊維がさらに細かい印象でした。
以前、繊維についてためになるお話を聞かせていだいた後だったので改良されたのかどうか。ご本人に確認を取れば早いのですが、職人へのリスペクトの気持ちからあえて直接確認することはせず、抹茶にふれて感じとることにしています。
パン生地がまとまらず不安と心配の仕込みでしたが、最後にはケアの甲斐があり無事にパンになりました。甘みと香り、マメの瑞々しさを維持しつつ、抹茶の色も綺麗に残りました。全体として優しい印象のパンなので、外皮はもう少し薄くてもいいのかな、そんな印象も残りました。逆にこれくらいしっかりとした皮がある方が香ばしさも増えて良いのかも知れない。外と中とのバランスのせめぎあいに、ついつい思考をめぐらせてしまうパンです。

クッキー

怪我からしばらく焼かずに居たクッキーですが、リクエストも多く頂いたので2週連続で焼きました。
でも、スケジュール的に毎週焼く定番には出来ません。またしばらく休みます。
5月29日のクッキーはやさしい香りに仕上げたので、6月5日のクッキーには特にゴマの香りを強く持たせたいと思いながら仕込みました。本人的には反映できたのですが、如何でしたでしょうか?毎回挽きたての粉、いりたてのゴマで仕込む。焼き菓子も鮮度が大切な食品だと考えています。

ゲリラ販売 ミッシュブロート

6日のゲリラ販売、突然の告知にも関わらず足を運んでくれた皆様、有難うございました。
また、事前に告知できず、申し訳ございませんでした。サプライズで仕込んでいた訳ではなく、いつ発酵が来るのか不明慮すぎたのです。販売したパンはミッシュブロートで、小麦とライ麦半々。
コロナの影響でロゲン(ライ麦100%)が安定して焼けなくなり、酵母の維持をどうするかを悩んでいました。粉を買わないパン屋ですから、酵母の維持といっても簡単ではありません。麦の選別と製粉からやらないといけない。酵母の維持だけでも在庫のライ麦は減っていく。でも、その酵母でライ麦パンは焼けない。。。でもでも、いざライ麦が入荷した際、手元の酵母を健全な状態で維持できていなければ、焼くことが出来ない。でもでもでも、それがいつなのか分からない。。。
そんな中で、ミッシュブロートの構想がでてきました。酵母も小麦種が50%でライ麦種が50%にしています。つまり、完全なハーフ&ハーフです。原材料を改めて記載しておきます。

ミッシュブロート・全原材料
  • 有機小麦
  • 有機ライ麦

以前、ザウアーブロートという名前で販売していたライ麦100%の酸味を利かせたライ麦パンの再販要望を頂いていたこともあり、今回はチャレンジも含めてライ麦比率50%でありながら酸味をしっかりと乗せて仕上げました。作り手もあの日の同じパンを日を追うごとの変化と共に現在も食べ続けています。
ライ麦パンと比べると水分が少なく感じるので、もっとシットリと焼いてみたいパンです。また、表面に発生するひび割れも、ただのデザインではなく味に影響しているため、改良すべき点が多いと感じています。ツイッターで告知した通り、今回はパンを焼くことが目的ではなく、酵母を強化することが目的でした。パンの質としては満足できない点がありますが、パンを焼かせてもらったお陰で酵母は救われました。作り手本人が試食も出来ていない状態、窯から出たばかりの湯気の上がった大きなパン。熱くて持てないので革のグローブでお客様の袋へ入れるパン。そんなゲリラ販売にお付き合いいただき、足を運んでくださった皆様、そして突然すぎてタイミングが合わず来られなかったけれど行きたかった、と思ってくれた皆様に心からお礼を申し上げます。

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