ベースベーカリーのブログ

ノア8フォルコン・オリーブオリーヴ 

12月第2週

フォルコン

使用した小麦について

「ノア8」という小麦で焼いたフォルコン。ノアはクルミのことではありません。北海道ピリカアマムによる夢と希望の詰まった小麦の名前です。ピリカアマムについて、ノアについてを語ると永遠にパンの話へたどり着かなくなりそうなので我慢します。それほど、ベースベーカリーにとって重要な麦であり、生産者です。

ピリカアマムが投じる一石は現在も多くの生産者に影響を与えているだけでなく、ベースベーカリーが焼くパンまでもを変えました。ベースベーカリーが小麦粉を一切買わなくなり、すべてのパンをBIO麦の自家製粉だけでまかなう姿勢に切り替えた大きな切っ掛けです。今年、ノアで焼けたパンは2回だけ。今回が2回目で、もう終わりです。

衝撃的な感動を与えてくれるものの、一瞬で使い終わってしまうという点では「はかなすぎる小麦」とも言えそうです。味、香り、旨み、そしてあまりにも労働に見合わない価格。世間では消費者のイメージよりも安い価格設定を「良心的」と呼ぶ慣習がありますが、ノアは何的でしょうか。狂気的で犠牲的、なにか使命感がなければ「8」年も続けられるわけがない、そんな麦です。

大きな刺激をもらい続けているパン屋が語ると、どうしても意気込んでしまいますので、ノアのストーリーについては生産者ご自身によるピリカアマムのブログに譲りたいと思います。

限界点の仕込み

今週も先週に引き続き、自家製粉の限界点で仕込みました。ノアを限界点で仕込むのは今回が初めてとなります。どこまで行くと危ないのか、どこで引き返すことが正解なのか、これ以上は意味がない、これ以下では意味がない、そういった不可視な境界線を探るためのパン焼きです。一言で言うと「限界のどれくらい手前が正解なのか」。そもそも正解がなんなのかもわかってはいませんが、作り手のそんなアガキが、最終的に買ってくれたお客さまの感動に繋がってくれたとしたら、そんな嬉しいことはありません。が、奇しくも、自分がほれ込んでいる麦は美味しくて当然の麦なのですから、「おいしい!」だけではダメなのです。そんな麦が年に2回しか使えないというのは残念な気がする一方で、自分にとっては安心して眠れない程のプレッシャーを与えてくれる食材なので、精神衛生上は年に2回で丁度よいのかもしれません。店頭で、DMで、メールで、皆様の感想を聞かせて頂けたら、作り手と麦の生産者ともに、励みになります。ネガティブも、ポジティブも心から歓迎いたします。

オリーブオリーヴ

前回焼いたのはどれくらい前だったでしょうか。その際はお客様がお手持ちの食材や料理とあわせて召し上がることを想定した仕込みにしました。今回はパンだけで完結する、いわば「でしゃばったパン」を目指しました。何かを添えるならばお気に入りの「オリーブオイル」、それだけで十分。そう感じてもらえるようなパンを思い描いて焼きました。仕込ではオリーブの実がなるべく潰れないように、成型ではオリーブの実がなるべく飛び出さないように、焼きではオリーブの実が焦げ付かないように。。。フスマも全て使った本物の全粒粉100%のパンでありながら、つるんとしたオリーブの実の滑らかさを楽しめるように。そのためにはパンの生地がザラザラしていてはいけない。しっとりと滑らかでつややかな全粒粉。皆様にとってただ単純に、ただ純粋に、オリーブの実って美味しいね、とパクパク食べ進められるパンに仕上がってくれていたら、とても嬉しいです。

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