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「森色の具材パン」

2023年3月から最終営業日まで続けてきた「水汲み」。仕込みの全工程の中で最も時間とお金を費やしましたがとても豊かな学びとなりました。

パンを通して影響力を体験できた人も多いと思います。「水の美味しさがパンに反映される」というよりも水に含まれるミネラルの量やクラスターのサイズが生地を変える。そして醗酵の質と香りに多大な影響与える事を実感する一年間でした。

塩素も含まない生の「湧水」の水源をたどると鳥の鳴き声が響きわたる森があり、必ずと言えるほど神仏が祀られる祈りの場に出逢いました。

2023年度最後の具材パンは、そんな湧水を育む山や森、土の色や濡れた幹の色などを思い出しながら具材を選びました。ペルーのチョコレートは少し赤味がかった茶色。緑の色は普段使わないほど多くの抹茶。断面や表皮の色が違う4種類のナッツをそれぞれ数パターンの温度帯でローストし、色彩と香りが単調にならない様に遊びました。

自然界が複雑であながら本来は完璧に調和している1つの生命体であるように、日本を含む各国から届いた様々な食材が結果的に調和して1つの醗酵体になってくれたら「森色の具材パン」の完成。

それが体に吸収されて細胞に行き渡り、自然を慈しむ心を刺激し、豊かさに繋がる行動を引き起こせたら成功です。

あと3日で2024年が始まります。残された命をどう使っていくのか。何のために生きていくのか。作り手自身、そんな問いを明るく見つめながら新年を迎えたいと思います。本年も誠に有難うございました。新年、元気な姿で再会出来ることを楽しみにしています！

今月話題になったイチヂクの仕込み風景。

ストーリーでは虫の姿を小さく表示しましたがこの投稿では確認できるサイズで表示されます。苦手な人はフィグ（イチジク）を水で洗い流している動画から先にはスライドしない様にご注意下さい🐛💦

当時、この仕込み風景は投稿しないほうがいいのではないか、と迷いました。ネガティブに受け取る人もいるかもしれない、そうも思えたから。

少し考えて保留にした後、「もし本当にそうだとしたら、なおさら投稿したほうがいい」と思い直しました。事実を伝えることで選択肢が増えるのだから。

安心する人と、不安に思う人。
当たり前だと思う人と、ありがたいと思う人。
許容する人と拒絶する人。

これからは特に、選ぶことを迫られる時代が来る気がしています。それは、ありのままの事実を伝える必要に迫られる時代とも言えます。どうでもいいとか、どっちでもいい、という言葉はある意味では敵を作らない「無難」とも言える言葉かもしれない。

でも、力強く豊かな未来を生きていく為に必要になるのは「味方」です。それは同時に、「見方」です。

ベースベーカリーを支えて下さっている皆さまに僕は見られている。その緊張感と有り難さの中で年内最後のパン焼きに励みます。本年もベースベーカリーの味方でいて下さって誠にありがとうございました。

16㈯パン焼き。本日製粉開始！

16㈯パン焼き。本日製粉開始！

今週のライ麦パンのための製粉。
挽きたては香りが抜群に素晴らしい。
なぜって、香りは鮮度に由来するから。

麦の粒が壊された瞬間から酸化が始まる。
鮮度は技術では取り戻せない。
だから、毎回挽いている。

自家製粉で全てをまかなうパン屋がいない理由は、それだけ麦の製粉が大変だということだろうか。あとはパンに香りを求める人が、蕎麦よりも圧倒的に少ないということかな。

今日もまつ毛まで粉だらけ。腕も真っ白だ。
厨房の掃除も毎回大変。
でも、困ったことに香りが素晴らしいからやめられないでいる。

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「アドリブ」という名前の蒸し焼きパン。

厳選したチョコを中心に具材を目一杯詰め込む、ベースベーカリー唯一の「あまい」パン。

蒸気で蒸し焼きにすることで見た目のイメージを裏切るフカフカ食感に仕上げる。

これパン１個の価格？と驚く人がいるのは想定内。だって一般的なパンに使われる具材ではないし、混ぜ込む量もご覧のとおりだ。整形するのも一苦労、生地からこぼれる具材を拾っては、生地の隙間に差すように詰めていく。普通に焼いたらチョコが多すぎて焦げるのが落ち。硬化剤も含まないチョコは熱で流れ出しやすい。だから大量の蒸気でゆっくりと蒸し上げていく。

これだけ美味しい食材をこれだけたくさん使ってマズく作るほうが難しい、そんなズルい醗酵体です。

使うチョコはフランス、ベルギー、ペルーなどオーガニックチョコが9割以上。たまにそうで無いチョコも選ぶ。（店頭ポップに明記）

どのチョコレートも植物油脂を含まず、カカオバターだけで作られた本来の（本物の）チョコレートしか使わない。「オーガニック板チョコ」の価格も認知されてきて、各商社も夏は溶けたり劣化するので扱わないなど苦労しつつも人気があるため継続販売されている。

チョコの価格を比べるのではなく、選んだ後の未来を比べて選ぶ遊び。植物油とカカオバター、それぞれが体に与える影響も、選んだ瞬間にセットでくっついてくるのが買い物だ。

難しいことは抜きにして、
パンからは身体を元気に保つ栄養と香りと良い醗酵を。そして食べてくれた人からは「ああ、美味しい」の一言をそれぞれ引き出せたら幸せだ。

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毎回挽く自慢の粉。ベースベーカリ

毎回挽く自慢の粉。

ベースベーカリーは小麦粉を買わない。ライ麦粉も買わない。だから粉問屋とも付き合いが無い。

毎回、粒で仕入れて選別して磨いて、石臼で製粉している。まったく粉を買わないパン屋などベースベーカリー以外に存在するのだろうか。何処かにあったら会いに行きたい。

最初から粒の状態で譲ってもらえたわけではないし、完全自家製粉でやろう！なんて思っていなかった。だって製粉機も無かったし、値段も高いし、場所も取るし、粉まみれになるし、掃除も大変。でも色々なストーリーがあって2年目にはエイヤーと導入し、その翌年から完全自家製粉に切り替えた記憶がある。

圧倒的な香りと抜群の鮮度が手に入るのだから、やれるうちはやろうと思っているのだけれど、製粉小屋がないのでまつ毛まで白くなる日々。アレルギーになる前に製粉小屋が欲しい。どなたかガレージでも物置でもいいので貸して下さい。。。

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有機いちぢくを使うか、それとも農薬と化学肥料等を使用して栽培された一般的なイチジクを使うのか。

その選択はパン屋にとって「どっちを買うかだけの問題」だと思っている人が多いことを知りました。つまり、仕入れ価格が違うだけでパン屋の手間は同じだと思っている人も多いですが実は違っています。

有機イチジクにはカビが生えていることがある。そして虫が住んでいることもあります。食べたってコオ◯ギよりマシですが気持ちの良いものじゃない。

そう考えて、ベースベーカリーでは手選別しています。１個１個、一粒一粒のヘタをつまんで引き伸ばして硬い部分をカットして、特に根本に潜んでいる虫を探す。最初のロットは一粒を6等分程に切って、全てのいちじくの中が健全な状態かを確認しています。ベースベーカリーで販売されるパンに細切れのイチジクを使う日があるのはこのためです。

数匹いるかいないかという虫を探すために箱で10KGもチェックするのだから、指も爪もハサミの当たる皮膚も目もおかしくなります。

昔に比べて輸送のスピードや質が向上したことと、生産者や商社さんの努力のお陰で輸入される有機イチジクの品質は上がりました。それでも、この最終確認の作業はパン屋がするべき仕事だと思っています。有機を使わないならまだしも、有機を使うなら必須です。

魚から寄生虫を取り除くのは寿司屋の仕事なのだから、パン屋の虫取りも当然といえば当然ですが、意外と知られていないし、していない。

虫がいるから有機は買わない、という人もいますが、言い方を変えたら響きも変わります。
虫も食べられるいちじく。虫が住めるいちぢく。

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今週末(14)から、サマータイム営業を終わりにして11時開店の通常営業に戻します！

今年は人にも醗酵にもとても厳しい夏でした。小麦の醗酵がコントロールしきれなかったので潔く小麦は焼かず、特別な「ライ麦デイ！」を続けてきました。思えば東京にいながら7ヶ月間、東京の水は一切使わず各県の湧水を汲みにいった日々。とても勉強になりました。

今週は久しぶりに厨房の蛇口から水を汲んで、現代の便利さに惚れながら小麦のパンも仕込みます。

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日本には尖ったパン屋がまだまだいる。小麦粉もイーストも買わないパン屋。

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ベースベーカリーには無いものがたくさんある。

ホイロがない。
ドゥーコンもない。

シーターがない。
分割機もない。
そういえば、、、レジもないっけ。

惣菜パンがない。
だから調理場もない。

食パンがない。
だから油も卵も砂糖もない。

小麦粉もない。
生イーストもない。
ドライイーストもない。

そんなパン屋が１軒だけある。
それだけで面白い。

ドロドロに溶けた有機穀物の沼をかき回しながら、一人とんでもなく美しい醗酵香に包まれる幸せ。

自分の好きな様に「ない」を選んできたお気に入りの工房に、「ないほうがいいと思っていながら、ある」浄水器。

豊かな水に恵まれているがゆえに「浄水器もない」。いつかそんな工房でパンを焼いていたい。

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パン屋なのになぜ小麦粉を買わないのか。
→香りの良いパンを焼きたいからです。

それも圧倒的で感動的で未体験なレベルの、素晴らしい香りのパンを焼きたいからです。

ワインだってチーズだって香りに酔いしれるべき醗酵食品。パンもそうだ！という独断的な信念？に基づいて焼いています。

パンの香りを爆発させるための色々な工程と手間の中で、１番大事なのは製粉。つまり、香りは粉の鮮度が命なんです。蕎麦屋は粉を挽く所も多い。パン屋はまずいない。完全に自家製粉だなんて、居たとしてもきっと変な人に違いない。僕みたいに、。

皆さ〜ん！ベースベーカリーのパンは香りをかぎながら食べるのがオススメ（是非！🙇‍♂）です✨手でちぎって、クンクンと鼻を近づけて香りを胸いっぱいに吸込みながら、今日の香りと明日の香りを比べながら、そのままと温めるのとではどう変わるのか、そうやって香りを食べてください。

自称パン好きさん達に心配されるくらい、そのくらい香りと向き合って食べて欲しいです！そしてどうかご安心ください、ワイングラスに鼻を突っ込むのが全世界で許されるのだから、ベースベーカリーのパンに鼻を突っ込むのだって許されるハズ。

魅惑的で圧倒的な香りと出会うために、毎回粉だらけになりながら、いつか小麦アレルギーなる事も覚悟で製粉しているのだから、もっともっと、香りを楽しんでください✨
よろしくお願い致します！

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チョコレートの話し。ベースベーカ

チョコレートの話し。

ベースベーカリーが選ぶチョコレートは「チョコレート」のみです。

えっ？！と言われそうなのでもう少し踏み込むと、「準チョコレート」を使わないということです。

日本ではチョコレートと準チョコレートの違いが公正競争規約で定められていて、主な違いはカカオの使用量です。

準チョコレートの味と香りが劣るのは当然で、理由は「安さ」に重点をおいて製造されているから。それ故にカカオ以外の様々な原料も安価なものが使われます。チョコレートと準チョコレートの違いは優劣というより「目的の違い」ということです。

ベースベーカリーの目的は「美味しさ」ですから、「チョコレート」を選び、さらにチョコレートの中でもより美味しいものを選ぶ努力を続けています。

「価格が上がる分、それ以上に質は上がる」

そんな風に思える高級食材を使ってパンを焼く事が出来るのは、ベースベーカリーの味と品質を信じて買って下さるお客様がいるから。

未だに毎回緊張しますが焼くたびに、本当に有り難いことだと思っています。

ご購入くださった皆様、本当に有難うございました！

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小麦粉を一切買わないパン屋。
最初の仕事は麦の粒を磨くこと。
麦の粒は踊る。
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蕎麦のパンを焼きました。信州のと

蕎麦のパンを焼きました。

信州のとある蕎麦屋の、親父さんの打つ十割蕎麦が好きです。ある時、いつもと香りが違うので他の客のいない間を見て尋ねたら、最近は弟子に打たせているという。

同じ粉でも打ち手でこれ程違うのかとガッカリしたものの感動した記憶。勿論そこは自家製粉。さらに抜き身ではなく玄蕎麦を仕入れている。理由を聞くのは野暮、答えはこの香りに決まっていた。

粉挽き小屋には見たことの無い選別機や割り機、沢山のメッシュ違いのフルイがあって、石臼が置かれていた。

丁寧に蕎麦の挽き方を教えてくれたワンデイ師匠には到底見せられないパン屋の「蕎麦挽き」。蕎麦の実を触るたびに蘇る製粉小屋のあの日の記憶。

パンは最後に焼く工程がある。そこで香りが飛ぶのは宿命だけれど、発酵させて変態させた蕎麦粉が放つ「なにか」が、食べる人に感動を残してくれたら。そんな想いで焼いた蕎麦「のパン」。

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大変有り難いことに、初めてのお客様に多くご来店いただけるようになったので、最近よく頂くご質問「使用している小麦＝全粒粉」について改めてお答えいたします。

ベースベーカリーはパン屋でありながら「小麦粉」を一切買っていません。

有機栽培の麦のツブ（玄麦）を仕入れ、手と目で選別したあと機械で汚れを磨きます。綺麗になった粒を石臼で製粉し、何度もふるいを通して（↑画像）粗い粉は再度製粉することを繰り返し、外皮も含む粒の丸ごとを「粉」として使用しています。つまり、正真正銘の本物の「全粒粉100%」でパン焼きをしております。

ベースベーカリーが定義している全粒粉とはどんな粉なのか、一言で言うと「組み立てたら粒に戻る粉」です。流通している全粒粉は「粒の大部分」もしくは「粒の中と外の一部をブレンドしたもの」であることが殆どで、これを「全て」では無いという意味において「本物ではない全粒粉」と呼んでいます。良く膨らんだ白っぽい「全粒粉パン」がこれに該当します。

ほぼ小麦で作られている「ライ麦パン」、ほぼ小麦で作らている「蕎麦」、白い小麦にフスマを混ぜただけの「全粒粉パン」など、消費者であるお客様の誤解を招きかねない食があふれている現代において、イメージ通りの食べ物を口にすることが難しくなっている気がします。

プロは知っていても、消費者は知らない事実。これをナンでもカンでも暴露すればいいとは考えていませんが、質問を頂いた際には誤解を与えないようにかつ、他店にも配慮しながらお答えしております。

当店のライ麦パン、小麦パン、古代麦パン、すべての商品は毎週自家製粉する鮮度抜群の本物の全粒粉です。またライ麦パンに関しましては当然ながら「ライ麦比率100％」で、小麦を一切含みません。

以上の回答がベースベーカリーというパン屋の紹介と、皆様の待ち時間の短縮に繋がれば幸いです。

店頭には作り手本人が立っておりますので、ご遠慮なく気になる点は何でもご質問下さい。

ご常連のお客様には一人ひとりの接客で待ち時間を増やしてしまっていることを心苦しく思っておりますが、今後とも暖かく見守っていただけましたら幸いです。

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大きなパンベースベーカリーの店頭

大きなパン

ベースベーカリーの店頭には「大きなパン」がたくさん並んでいます。１個が２キロ近いパンや３キロ近いパンまで。生地は大きなカゴの中で発酵、ドイツの大きな窯で焼いています。あ、その前に大きな石臼で100%自家製粉しています。

大きく焼く理由は沢山あるけれど、１番の理由は「パン自体が美味しいパン」を焼きたいから。大きなパンは本場のチーズやハムと同じように「欲しい分だけ買う」スタイルで「量り売り」しています。

自宅のテーブルの上で異彩を放つ大きなパンから、食べたい分だけ切り出しては日々育っていくパンの香りを愉しむのが醍醐味。でも、ちょっとづつ買って食べ比べるのも大歓迎！とにかく大きなパンに興味を持ってもらえて、まず試してもらえるということは、造り手にとって大変に嬉しいことです。

この頃は初めてのお客さんが来てくれるようになって、緊張とウキウキの日々。試食もどんどん食べてもらいながら麦も酵母も、香りも食感も違う「パン選び」を楽みに来てもらえたら最高に嬉しいです！

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葉も落ちて冬を迎えた北アルプスをおりると、燃ゆる秋が迎えてくれる今🍂
登山とワインのために焼いている「晩餐」をかじりながら今週も日帰り。

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小麦粉を買わないパン屋の仕事。
製粉前にまず麦を磨く！
このあと手選別。新鮮な美味しさを求めて仕込みの大半は粉づくりと野生酵母のお世話。定休まえの準備中〜

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